世界金融の中心地ウォール街に多くのエリートビジネスマンを輩出してきた米経営大学院(ビジネススクール)の学生の間で金融離れが静かに進んでいる。経済危機に伴う雇用不安を背景に全米600校の受験者総数は11年ぶりの高水準を記録したものの、企業経営のパスポートとも言われるMBA(経営学修士)を取得しても、自分で新たに事業を起こしたり、金融以外の企業を志望したりする学生が増えている。
「起業家精神のある人間には、経済がどん底の今こそ事業を伸ばせる好機だ」
コロンビア大経営大学院を5月に修了したトーマス・キャンベルさん(31)は自信満々だった。2000年に別の大学を卒業後、メリルリンチなど金融大手2社で働き、08年には破綻(はたん)直前のベア・スターンズから事実上の採用内定を得ていた。
だが、ベア社やリーマン・ブラザーズなど相次ぐ破綻を目の当たりにしてウォール街への不信感を募らせたキャンベルさんが目指したのは不動産ベンチャー。低所得者向け住宅を建築して賃貸する事業を08年暮れから始め、政府の助成金を活用することで高額の賃料がなくても採算が取れる仕組みを作った。
原点にあるのは、故郷フロリダ州の貧困地区が再開発でよみがえった光景だ。「本当に住宅が必要な人々に手頃な価格の住宅を提供したい」。経営大学院に入学した当初の狙いとは違う道だが、大学院で培った人脈が生きた。
ハーバード大経営大学院で進路指導を担当するジャナ・キアステッドさんは「就職先は様々な業種に広がり始めている」と指摘する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090627-00000970-yom-bus_all
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